紙に書いて、あとからパソコンに入れる。専用の端末に打ち込んで、別のシステムにも同じ数字を入れる。現場では、同じ情報を二度入力している場面がある。
不思議なのは、これが誰の怠慢でもないところだ。どちらの入力にも、ちゃんと理由がある。
なぜ残るのか
紙には紙の理由がある。手が濡れていても書ける。電波が届かなくても書ける。初めての人でも迷わない。何より、その場でいちばん速い。
システムにはシステムの理由がある。集計できる。あとから探せる。離れた場所からも見られる。
どちらも正しいので、どちらも消えない。そして「あとでまとめて入力する人」が、その間に立つことになる。
問題は手間だけではない
二度入力していると、時間が取られるのはもちろんだが、それより厄介なことが起きる。
- どちらが正しいか分からなくなる。紙とシステムで数字が違ったとき、判断できる人が限られる
- 入力が溜まる。溜まっている間、システムの数字は現実と合っていない
- 合っていない状態を前提に、みんなが動くようになる。システムは参考程度、というムードができる
こうなると、システムを新しくしても効き目が出にくい。入力が溜まる構造は変わらないからだ。
残すのは、集計しやすいほうではない
やることは、二度入力をやめることではない。一度入れたら、もう一方に届くようにすることだ。照合や確認のために、あえて二度入れている場合は別の話になる。
このとき入口に選ぶのは、現場がいちばん速く確実に入れられるほうになる。集計しやすいからという理由でシステムを入口にすると、現場は紙を手放しにくい。手放さない限り、二度入力は残る。
つまり、どちらも正しいまま片方を捨てるのではなく、正しさの種類を分ける。入れる場所は現場の都合で決めて、集計やあとから探す都合は、届いた先で満たす。
- 現場にとって自然な入口を決める。速く、確実に入れられるほうを残す
- 残さなかったほうへは、人が転記するのではなく、仕組みで届くようにする
- 仕組みで届けるところまで一度に行けないなら、転記の回数を減らす。入力のたびにではなく1日1回にまとめる。これは入口を1つにできるまでの妥協案として置く
いきなり連携しなくてもいい
システム同士をつなぐ、と聞くと大掛かりに感じるが、そこまでやらなくても効くことがある。
- 入力の場所を1つにまとめる。バラバラの用紙や表計算を、1つの入口に集める
- 読み取りで済ませる。番号を手で打つ代わりに、コードを読ませる
- 転記のタイミングを決める。「気づいたときに」をやめて、時間を固定する
いきなり全部を自動でつなごうとすると、費用も判断も重くなる。まずは入口が2つある状態を1つに寄せるところまで進めるだけでも、数字のずれと入力待ちは減らしやすい。
自分の会社にあるかどうかは、ひとつ聞けば分かる。
入力が溜まるのは、だいたい何曜日か。
これに答えが返ってくるようなら、その仕事はもう、溜まる前提で回っている。そこが着手点になる。
どちらを入口にするかは、現場の作業の中身で変わります。自社ではどこが二度入力になっているか、どちらを入口に残すか。整理してみたい方は、まずは無料相談でいまの状況をお聞かせください。

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