AIエージェントや自動化の話になると、「使いこなすには、覚えるコマンドが増えるのでは」という不安をよく聞く。専門的な操作を覚えないと使えない、と思ってしまう。
自分の場合は逆だった。繰り返している作業をAIに任せる形にするとき、合図には今すでに使っている言葉をそのまま使った。
きっかけは、うまくいかなかった経験のほうにある
最初は、AIへの指示を1つの大きな指示書にまとめていた。案件が増えるたびにそこへ足していくうち、指示書はどんどん膨らみ、読み込みに時間がかかるようになった。奥のほうに書いたルールが効かない場面も出てきた。全部を一度に読ませようとしたのが原因だった。
そこで、指示書を場面ごとに分けることにした。毎回必ず要るものだけを短く残し、場面ごとの細かい手順は別のファイルに移す。そのファイルは、それが必要になった合図が来たときだけ呼び出す形にした。
合図に新しい言葉を選ばなかった
たとえば、月に1回、自分のパソコンの辞書データを別の入力ソフト用に変換している。前は手順書を見ながら、書き出し、形式を変換し、件数を数えて確認する、という手作業だった。今は「辞書を書き出したよ」と伝えるだけで、変換から件数の確認まで、ひとつながりで終わる。新しく覚えたのは、変換の操作ではなく、いつも自分が使っていた一言をそのまま使ってよい、ということだった。
朝の予定確認も同じ形にしている。「おはよう」と声をかけると、その日の予定を確認し、やることの整理まで進む。これも、朝いつも交わしている挨拶を、そのまま合図に使っただけだ。
覚える量を増やさずに、任せられる仕事を増やす
この形にしてから、AIに仕事を任せるたびに新しい操作を覚える必要がなくなった。増えたのは、頼める作業の数のほうだ。
繰り返す作業のうち、どれを最初に任せるかは、頻度が高くやることが毎回同じかどうかで選ぶといい。今回の話は、その先にある。決まった業務を、実際にどう仕組みへ落とすか、という部分になる。
作り方の順番はこうだった。まず、自分がすでに繰り返し使っている言葉を数える。次に、その言葉のあとに毎回やっていることを手順として書き出す。最後に、その手順を、その言葉が来たときだけ動く形にする。実際にやっているのは、場面ごとに手順を書いたファイルを分けておき、その言葉が来たときだけ呼び出す設定にすることだ。
まだ固まっていない作業は、無理に合図にしない
一方で、まだやり方が定まっていない作業や、毎回中身が変わる判断は、急いで合図にしなかった。手順が固まっていないものを仕組みにすると、少しやり方を変えるたびに、合図と中身がずれていく。決まっていない部分は、決まった部分だけを先に仕組みにして、残りは手を動かしながら固めている。
自社の繰り返し業務を、AIに任せる形にできないか考えている、という場合もあると思います。そういうときは、一緒に整理することもできます。

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